ニコンは効果的な品質管理ソリューションを提供してくれる。そんな顧客の声を聞いて、私たちも導入を決めました
サージカルニードルと医療産業用精密部品のドイツにおけるリーディングメーカー、Feuerstein GmbH社(www.feuerstein-needles.de)のベルリン工場では、製品検査が画期的な進化を遂げています。従来の光学CNC測定システムとデジタルプロジェクターを利用したシステムでは、大量の部品を処理する上で十分なスピードが得られていませんでした。その解決策として、2020年にニコンのCNC画像測定システム「NEXIV VMZ-R3020」※を導入したのです。
Feuerstein社のプロジェクトマネージャー、Ruben Weiss氏は次のように説明します。「この新システムを導入した主な理由は、高い信頼性に加えて、幾何公差測定機能を活用して詳細な測定結果が得られる点にあります」
Weiss氏は、新システムがもたらした重要な利点についても語ってくれました。彼によると、制御を自動化かつデジタル化したことで、結果に対する完全なトレーサビリティが実現したそうです。また、100本のニードルに対する測定サイクル時間が半分以下にまで短縮できたことで品質管理部門の効率が向上し、製造プロセスのモニタリングも大幅に改善しました。この高い精度を得たことで、不良品の約10%削減を実現しています。
収集されたデータは、Excelスプレッドシートなどにリアルタイムに転送され、トレーサビリティを実現。最小レベルの形状を持つ製品でも、簡単操作で高精度な測定が可能です。
Feuerstein社は、サージカルニードル、ペン型ニードル、縫合糸、ドレナージニードルなどの精密部品の他、最高の品質基準に準拠したカスタム製品も製造しています。同社は、50年以上にわたり、40カ国以上の顧客に製品を提供してきました。ニードルは主にステンレス製ですが、中にはタングステン製のものもあります。タングステン製のニードルは、先端部の半径が5µm以下のものもあり、極めて厳しい加工公差が要求されるため、その検査にも特別な注意が必要です。寸法に関しても保証が求められ、トレーサビリティが欠かせません。
ニコンのCNC画像測定システム「NEXIV VMZ-R3020」は、300×200×200mmのストロークに加えて、高分解能XGA-CMOSセンサーと高品質な光学系を採用し、TTLレーザーAFなどの機能も搭載。寸法ソフトウェア「NEXIV AutoMeasure」を使用することで、高速で信頼性の高い測定プロセスが実現し、迅速かつ自動的に画像エッジ検出が行えます。0.01µmという高分解能を持つ自社開発リニアエンコーダで3軸(X、Y、Z)の位置を検出し、最大誤差が100mmあたり1.6µmという高精度が達成しました。
高い開口数を実装し、15xズームの光学系による超高速5ステップズームにより、低倍率での広視野に加え、高倍率でも際立った分解能を実現。その結果、微細な構造物に対しても信頼性の高い測定が可能になりました。8分割リング照明や反射光と透過光をニコン製の高品質な光学系と組み合わせることで、低コントラストの形状でも高精度で検出できます。また、ニコンの直感的なソフトウェアを使用することで、効率的かつ高速なプログラム作成も可能です。
ニコンの製品は効果的な品質管理ソリューションを提供してくれる。そんな顧客の声を聞いて、私たちも導入を決めました
Weiss氏はさらに続けます。「システム導入後のNikon Metrologyによるトレーニングも専門性が高く、入念に行われて非常に有用なものでした。解決志向型の丁寧な指導で、分かりやすかった点も特筆すべき事項です。既存の製品群だけでなく、今後の製品についても、品質管理や製品プロセスの最適化において、高速で高精度、かつ高再現性な測定をNEXIVが実現してくれることでしょう」
※NEXIV VMZ-Rは生産中止になりました。後継機種のNEXIV VMZ-Sシリーズをご参照ください。
CNC画像測定システム「NEXIV VMZ-S」シリーズは、千分台の検査用途において、高精度、高速、使いやすさを実現します。
車載向けの電子機器や半導体をはじめ、精密機械部品、成形加工部品など、広範にわたる市場のさまざまなサンプルの測定に利用可能です。
主な特長:
- 高分解能と長い作動距離を両立
- 寸法測定を効率化するワイドズーム光学系
- 優れた視野内精度
- 高精度・高速測定が可能なTTL(Through The Lens)レーザーAF
- あらゆる形状を安定的に検出可能な照明系