VOXLS 30シリーズX線CT検査装置

ニコンのVOXLS 30シリーズは225 kV、320 kV、450 kVの線源を組み合わせた省スペース型で自動化に対応。低密度から高密度までの小型から中型の被検物に理想的なソリューションです。

自動ローディングとロボット一体型機能で生産現場の自動化に対応

次世代の X線CT

VOXLS 30シリーズX線CT検査装置は、自動ロボットやインダストリー4.0との統合機能を活用でき、研究室でも生産現場でも活躍します。計測グレードグラナイト定盤上の高精度マニピュレータと堅牢なスチールコラムにより、再現性と信頼性を実現するよう設計されています。

主な特長

3種類のX線源オプション

225 kV、320 kV、450 kVの構成が選択でき、被検物のサイズ、密度など、様々な用途に最適なX線源を組み合わせることができます。ニコンは、考え抜かれた設計ソースを提供することで、メーカーが品質コントロールのニーズに最適な検査システムを構成できるよう支援します。フレキシブルな30シリーズは、多様な産業やサンプルタイプに対応し、現在そして将来の要件を満たします。

電動可変FID

従来のX線CTシステムでは、フォーカス・画像装置ディスタンス(FID:Focus to Imager Distance)は固定されているか、手動で調整するかのいずれかです。しかし、VOXLS 30シリーズはモーター駆動のFIDを備えており、X線源と検出器間の距離をミリメートル未満の精度で簡単に調整できます。FIDを短くすることでX線光子束が大幅に高くなるため、スキャン時間が劇的に短縮され、S/N比が向上して画像品質が改善されます。

スキャン範囲の拡大

最大2ポジションのパネル移動、さらにY軸で同期したX線源と検出器の動きにより、大きなスキャン範囲を確保し、最大で直径600 mm、高さ1000 mmの被検物の検査が可能です。機能にはX.Tend、ヘリカルCT、パネルシフト、ピクセルスプリット CTなどがあります。

高精度マニピュレータ

ニコンのグラナイト定盤のマニピュレータは、堅牢なコラムと、高精度モーターおよびエンコーダに組み合わせています。その結果、優れた機械的安定性と熱安定性が得られ、高精度な位置決めと再現性を確保できます。

卓越した視認性

マニピュレータのインターロック条件となっている高さ1.3 m、幅1 mの大型ガラス製外側ドアにより筐体内の卓越した視認性を実現。被検物を確実に位置決めできるため、X線源や検出器との衝突リスクを最小限に抑えられます。内部にはビデオカメラが2台設置されており、放射線安全扉が閉まり、X線が照射されている状態でも、優れた視認性を確保できます。

自動化に対応

一体型ロボットローダーおよびニコンAutomation OPC UAインターフェイスによるVOXLS 30シリーズでは、Quality 4.0生産ライン環境での高速クローズドループ検査のための自動化に対応しています。ニコンのオートメーションOPC UAインターフェースと組み合わせることで、VOXLS 30シリーズはロボット自動化を統合し、再現性が高く、オペレーターに依存しない成果を生み出します。

あらゆる環境におけるイノベーションと品質

VOXLS 30シリーズは、複雑な電子機器から鋳造品まで、あらゆる検査に必要な柔軟性と高精細な画像を提供し、幅広い業界の生産および研究に最先端のX線CTスキャンを提供します。生産ラインでもラボ内でも、VOXLS 30シリーズの自動化対応設計は、効率と信頼性を保証します。自動車、航空宇宙、金属、医療機器などの製造業に最適なVOXLS 30シリーズは、さまざまな業界の技術革新と品質基準の維持を支援します。

工業用途

自動車

自動車産業は、大型エンジンの鋳造品から複雑なプラスチック、複雑な電子機器に至るまで、多種多様な部品やコンポーネントで構成されています。VOXLS 30シリーズX線CT検査装置は、自動車メーカーやサプライヤーのニーズを満たすために必要な汎用性と透過力を提供でき、生産現場から研究室まで、あらゆるシーンで活躍します。

バッテリー

バッテリーとEV化技術は急速に進化を遂げている産業で、特にリチウムイオンの性能については革新と需要の増大に満ちています。VOXLS 30シリーズは、バッテリーセルからモジュールまで幅広い検査に対応できます。

航空宇宙

効率性と信頼性は航空宇宙や防衛市場の中核をなすものです。そのため多くの大手メーカーとそのサプライヤーは、生産品質管理、研究開発、故障解析においてX線およびCT技術を活用しています。VOXLS 30シリーズは、コネクタ、油圧ライン、タービンブレード、複合材構造などの重要な航空宇宙関連部品を確実に検査できる精度と再現性を備えています。

金属

鋳造品から機械加工部品、最先端の3Dプリンティングに至るまで、金属部品は多くの産業市場を支えています 。VOXLS 30シリーズは、生産現場での部品の収縮検査や、金属積層造形部品の気孔率測定など、さまざまな金属検査のニーズに適した構成を備えています。

医療

医療機器や医薬品は最も要求が厳しく、規制の厳しい環境で製造・使用され、失敗は許されません。ペースメーカーや手術器具の欠陥が生死を分けることもあります。VOXLS 30シリーズは、これらの機器が必要なときに、設計された通り動作することを担保するために、必要な機能とスキャン品質を備えています。

研究

学術研究は、あらゆる分野の中で最も多様なスキャン用途があります。これにはコアサンプル、化石、新しい複合材料、最先端の合金、植物科学や動物科学などがあり、枚挙にいとまがありません。VOXLS 30シリーズは豊富なスキャン技術や解像度向上技術を搭載しており、スキャン結果を最適化して研究者が求める答えを導き出す手助けをします。

エレクトロニクス

電子機器はマイクロチップから大型の多層回路基板に至るまで、いたるところで見られるようになりました。VOXLS 30シリーズは、BGAの枕不良やボンドワイヤーの亀裂の検出に必要な解像度と、大規模な電子アセンブリのレイヤー単位での評価に必要な能力を備えています。

Nikon VOXLS 30シリーズの概要

VOXLS 30シリーズCTシステムは、225 kV、320 kV、450 kVの構成で、計測グレードのマニピュレーションと独自のソースにより、自動検査を最適化します。スキャン範囲は業界トップクラスで、これらの自動化対応システムは不良品ゼロの製造に貢献します。

VOXLS 30 C 225

225 kVマイクロフォーカス回転ターゲット2.0
225 kVマイクロフォーカス反射ターゲット
オートフィラメント・コントロール対応
フラットパネル検出器 最大スキャンボリューム:620 mm(Ø)×1,025 mm(H)
最大サンプル質量:中心荷重50 kg
システム質量:6,950 kg

VOXLS 30 C 225

VOXLS 30 C 320

320 kVマイクロフォーカス反射ターゲット
ペンタソース機能搭載
フラットパネル検出器
最大スキャンボリューム:610 mm(Ø)×1,050 mm(H)
最大サンプル質量:中心荷重100 kg
システム質量:10,350 kg

VOXLS 30 C 320

VOXLS 30 C 450

450 kVマイクロフォーカス回転ターゲット
450 kVマイクロフォーカス反射ターゲット
フラットパネルディテクターとニコンCLDAが利用可能
最大スキャンボリューム:610 mm(Ø)×1,050 mm(H)
最大サンプル質量:中央荷重100 kg
システム質量:10,350 kg

VOXLS 30 C 450

特長・機能

よくある質問

X線源は、主に部品のサイズと素材にあったものを選択します。部品が大きければ大きいほど、X線が透過するのに必要な距離は長くなり、より高いエネルギーが必要になります。さらに、高密度の素材はX線を高い割合で減衰させるため、高密度の素材を透過するにはより高いエネルギーが必要になります。

グラナイトは、精密機器を製造するための優れた実績のあるプラットフォームです。これは非常に平坦で、軸運動に沿った精度を提供します。また、非常に重量があるため、製造環境における振動の悪影響に対抗することができます。さらに、グラナイトは熱的に安定しているため、温度変化に非常に強く、最終的に再現性と精度の向上に貢献します。

計測グレードのシステムの設計とは、連動するコンポーネントをすべて積み重ね、安定した再現可能なプラットフォームを生み出すことです。グラナイト製ベースや高剛性のスチール製マニピュレータータワーといった明確な要素から、高精度のエンコーダーやボールネジに至るまで、計測システムを定義する要素は一つではありません。このようなコンポーネントがすべて連動しているという点において、計測グレードのシステムは他のシステムと一線を画します。

Focus to Imager Distance(FID:X線焦点から画像装置までの距離)とは、X線管から検出器までの距離のことで、一般的に焦点距離とも呼ばれます。モーター駆動のFIDは、このサイズのX線装置ではユニークな機能で、検出器をX線管に近づけたり遠ざけたりすることができます。これは、技術開発にとって有益であり、ユーザーは幾何倍率を調整し、フラックスを増加させ、さまざまな部品サイズや素材に対してシステムを最適化することができます。

自動X線検査は、お客様固有の要件に合わせて特別にカスタマイズ可能です。最初のステップは、当社の技術スタッフとニーズや現在の検査プロセスについて詳しく話し合い、どのレベルの自動化が最適かを打ち合わせします。第二のステップは、通常ベンチマークで、お客様のサンプルをスキャンし、特定の環境における自動化の実現可能性を検証します。残りのステップは、簡単な人材育成からAI学習、ニコンのオートメーションOPC UAインターフェースを使用したフル生産の統合までさまざまです。

このシステムは、容易に交換可能なコンポーネントを使用することで、長寿命に設計されています。この長寿命化の重要な要因は、開放型X線管です。故障した場合、全交換が必要な密閉式X線管とは対照的に、開放型X線管は分解、メンテナンス、修理が可能で、使用可能な状態に回復させることができます。その他の定期メンテナンスには、フィラメントの交換、Oリングの交換、マニピュレーターのグリスアップ、アライメント、ソフトウェアのアップデートなどがあります。ニコンの保守契約は、システムの性能を最大限に引き出すための優れた方法です。

VOXLS 30シリーズ

VOXLS 40 C 450

Configurable x-ray-cover

大型検査用CT装置

X線CTレンタルラボ

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本製品に関するお問い合わせ

この製品に関する詳細情報や、より詳しい説明を希望される場合は、弊社製品担当がお手伝いします。必要に応じて、訪問やオンラインでの打ち合わせも可能です。お客様のご要望詳細をお伝えいただければ、弊社製品担当が貴社の要件に最適な検査システムをご提案します。この製品の詳細については、右側のフォームよりお問い合わせください。

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