株式会社ニコンソリューションズは、X線CT検査装置向けのソフトウエア「オフセット.CT」を発売します。X線CT検査装置は、X線によって複雑な工業用部品などの内部画像を取得し、CT(コンピュータ断層撮影)機能により、内部形状の把握や、内寸、外寸を測れます。
X線CT検査装置による検査ソリューションとして、新たにオフセット.CTを開発しました。 ニコン独自のローテティング.ターゲット2.0、可変FID(フラットパネルをX線源に寄せる機構)、更に今回発売したオフセット.CTを組み合わせる事により、新たなソリューションを提供します。
従来のX線CT検査装置は、画像を取得するには被検物全体を撮像範囲内に納める必要がありましたが、「オフセット.CT」を追加することで、撮像範囲より大きな被検物の処理が可能になります。またローテティング.ターゲット2.0と可変FIDとの組み合わせにより、処理時間が大幅に短縮され、スキャン画像の解像度が向上します。
製品や部品の検査工程において、外側からでは見えない内部の情報を得ることは、品質管理、故障解析、材料研究などに欠かせません。ニコンは、独自のマイクロフォーカスX線源を有した高精度なX線検査装置を生かし、様々なソリューションを提供しています。
発売概要
商品名 | X線CT検査装置向け新ソフトウエア 「オフセット.CT」 |
受注開始日 | 2021年5月26日 |
開発の背景
X線CT検査装置を使用して、アルミニウム鋳物や電気自動車のバッテリーモジュールなどの大型被検物の非破壊検査を行う場合、解像度を損なうことなく検査の処理時間を短縮することが課題になります。
オフセット.CTは被検物の回転中心をX線コーンビーム内の端に寄せて配置され、サンプルを180度強回転させながら撮像する技法です。検出器よりはるかに広い視野の3Dデータの作成を可能にします。また被検物をよりX線源側に寄せて配置できるため、倍率を高めたスキャンが可能になり、ボクセルの解像度が大幅に向上します。そのため大きな被検物を扱う場合でも、小さな内部欠陥の特定、複雑な内部形状の特徴測定、基準となるCADモデルと比較した誤差検出など、さまざまな処理を可能にします。
ニコンのX線CT検査装置の線源で使われているローテティング.ターゲット2.0は、特定の焦点スポットサイズのX線束*を3倍にすることができます。また可変FIDによってフラットパネルを線源に寄せる事が出来、X線束をさらに増やすことができます。これによって処理時間を大幅に短縮が可能になります。
鋳造品や複数の部品で構成されたユニットなど、複雑で大きな形状の部品は、近年非常に大きくなっているものもあり、まさにニコンのX線CT検査ソリューションが活用できます。電気自動車のバッテリーモジュールは、個々のバッテリーセルがより大きな保護ユニットに覆われており、高解像度のイメージングが必要になる為、検査技術として特に適しています。
*X線束 : 単位面積あたりの光の強度
主な特長
1.「オフセット.CT」機能により大きな被検物の内部画像を取得可能
従来は、被検物を撮像する際、サンプル全体を視野に収める必要がありましたが、 「オフセット.CT」により、被検物の半分が収まれば撮像が可能となりました。これにより、従来は不可能だった大きな被検物の撮像が可能となりました。
2.「オフセット.CTスキャン」機能により倍率を高めた内部画像を取得可能
従来は、被検物を撮像する際、サンプル全体を視野に収める必要がありましたが、 「オフセット.CT」により、被検物の半分が収まれば撮像が可能となりました。これにより、線源に寄せて倍率を高めた撮像が可能になり、より精細な画像が得られる様になります。
対象機種:X線検査装置
問い合わせ先
244-0841 神奈川県横浜市栄区長沼町276-1
株式会社ニコンソリューションズ 産業機器営業本部 第二計測室
種村・大久保
電話 045-861-5670
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