ニコン(https://industry.nikon.com)は、自社のX線/CT検査装置の透過画像のコントラストを大幅に改善する新しいフィルターを開発しました。特長を製品名に冠したHigh.Contrast Filterの主要な用途は、PCBA(プリント基板アセンブリ)や、BGA(ボールグリッドアレイ)、コンデンサ、スルーホールといった電子回路、等の品質管理です。さらに、鋳造品、3Dプリンタ造形品、溶接部の非破壊検査や、医療用吸入具などのアセンブリ品の故障解析に使用しても、同等の性能を発揮できます。
被検物を3Dで視覚化できるCT像と異なり、奥行き方向にあるものすべてを2Dで表示するX線透過像は、微細な情報を鮮明に示す必要があります。通常、X線で高密度な部分を撮像するには、画像全体の輝度を上げる必要があり、低密度領域の露出が過度になるリスクを伴います。High.Contrast Filterの強みは画像全体のコントラストを平準化できることにあり、これによって、低密度領域の詳細情報を犠牲にすることなく高密度領域の詳細情報を鮮明に表現します。その結果、すべての領域の欠陥を同じ画質で並べて視覚化できるため、オペレータによる人的誤差が低減され、良否判定が容易になり、検査の生産性、信頼性、再現性が向上します。
High.Contrast Filter は、ニコンの自動検査プログラムおよび C.Clear リアルタイム イメージング エンジン内で使用する革新的な処理能力を備えています。C.Clearリアルタイム イメージング エンジンは、変化するX線条件とサンプル位置に合わせてインテリジェントに最適化し、パラメータを自動調整して鮮明なX線画像を提供します。強力なマイクロフォーカスX線源と業界をリードする高ダイナミックレンジの検出器を備えたニコンのX線装置は、これまでもX線画像で非常に微細な欠陥を確実に検出することができました。新しいフィルターによりコントラストと鮮明さが新たなレベルへと引き上げられ、存在する可能性のあるボイド、亀裂、その他のあらゆる欠陥をより詳細に明らかにします。
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