X線CTシステムのラインアップを拡充する、VOXLS 30シリーズを発売

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ニコン(https://industry.nikon.com)は、非破壊検査用X線CT(コンピュータ断層撮影)検査装置VOXLSシリーズから、新たに3つのモデルを発売しました。30シリーズは、幅広い産業用途に対応する、汎用性が高く自動化に対応した装置を求めるお客様のニーズに応えるものです。

この度、高性能モデルであるVOXLS 30 C 225、30 C 320、30 C 450は、販売を開始致しました。それぞれの最大線源は225 kV、320 kV、450 kVで、さまざまな密度やサイズの部品を検査できます。これらのモデルは、40シリーズよりも省スペースでありながら、従来の大型で高価なソリューションに限定されていた高度な機能を実現しています。

これらの装置は、生産部門全体の自動化に対応するように設計されており、中でもリチウムイオン電池や積層造形部品を生産する工場での品質管理に適しています。さらに自動車産業、航空宇宙産業、医療産業、製薬産業も適用対象分野であり、材料科学、自然科学、学術分野での用途も期待されます。

このシリーズの中核をなすのはメトロロジーグレードのグラナイトをベースとするマニピュレーターで、堅牢な鋼製タワーとの組み合わせにより、熱的安定性に優れた強固な構造を実現しています。高精度モーター、ボールねじ駆動、エンコーダーにより、X線源と検出器の上下運動の同期化など、すべての軸の高精度な位置決めと動作が確保されています。

30シリーズは、2023年初頭に発売された、より容量の大きなニコンのフラッグシップモデルであるVOXLS 40 C 450を補完するものです。40シリーズ、30シリーズともに、業界トップレベルのデザインを誇り、さらにX.TendヘリカルCT、オフセットCT、パネルシフト、ピクセルスプリットCT、ハーフターンCT、Tilted CTなど、ニコンの広範なCT技術や再構成アルゴリズムで操作性が強化されています。

ニコンのX線およびCT製品マネージャーであるアンドリュー・マザーズ博士は、次のように述べています。「技術者の作業性を改善するバッチCTから、ニコンのOPC UAインターフェイスを介したロボット制御との連携による自動検査システム構築まで、さまざまなレベルでの自動化が新しい30シリーズの主なターゲットです」

自動化をさらに促進するため、5秒以内に開閉できる電動の両開き放射線防護扉が採用され、そのキャビネット内部には、直径1,000 mm、高さ1,370 mmまでの被検物を搭載可能です。30シリーズの225 kVモデルは、同サイズクラスで業界トップレベルの撮像範囲を提供し、全モデルで直径600 mm以上、高さ1 m以上の比類のない撮像範囲を実現します。この検査装置は、225 kV回転ターゲット2.0や450 kV反射ターゲットといった、ニコン独自のX線源技術を採用しています。

また、マザーズ博士は次のように述べています。「ニコンの回転ターゲット技術は、450 Wでも連続運転を可能にし、従来の反射ターゲットの3倍の出力密度を実現し、X線光子束が大幅に高くなります。これらすべての要素が相まって、解像度を損なうことなく、スキャン時間が劇的に速くなり、S/N比が向上するのです」

30シリーズのキャビネットは、マニピュレーターのインターロック条件となるガラス製の外扉を採用しており、内側の放射線安全扉が開いているときに筐体の中を視認できます。この設計により、被検物の位置を確実に決められ、X線源や検出器との衝突リスクを最小限に抑えることが可能です。同時に、操作者と作動中のマニピュレーターとの間に物理的な安全バリアを設けています。内部には高解像度のビデオカメラが複数設置されており、放射線安全扉が閉まり、X線が照射されている状態でも、優れた視認性を確保できます。

マザーズ博士は次のように結論づけています。「製造要件がますます厳しくなる中、検査ソリューションの能力とスループットは、需要に応え、メーカーの不良品ゼロという究極の目標を実現できるよう、向上し続けなければなりません。VOXLS 30シリーズは、企業の現在の検査ニーズを満たすだけでなく、より高品質な製品の設計と開発を推進します」

ニコンについて

ニコンは、100年という長い歴史の中で培った高度な光エレクトロニクス技術と精密技術をベースに、世界中でさまざまな製品、サービス、ソリューションを提供しています。ニコングループは、生活の質の向上やものづくりに貢献する新しい価値を、さまざまな形で創造し続けています。ニコンの産業機器事業部は、統合・最適化された超高精度の製品を提供します。どの製品もカスタマイズ可能で費用対効果が高く、導入後早期に生産性を高めます。ニコンのデジタルマニュファクチャリングを目的とした最近の開発は、産業機器事業部とデジタルソリューション事業部の緊密な協力関係によるもので、さまざまな材料をサブミクロン表面仕上げに加工するための一連の光加工機および機械加工ソリューションを発表しています。www.industry.nikon.com

 

【本件に関するお問合せ先】
株式会社ニコンソリューションズ
産業機器営業本部 第二営業戦略部
Tel 045-861-5670

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